📌 年代推定について。製造年と販売年の「ずれ」

2025年10月1日

📌 製造年と販売年の「ずれ」についてのご説明

ヴィンテージのGUCCI（特に1970〜80年代）では、製造された年と実際に販売された年が一致しないケースが多く見られます。現代のように「シーズン毎に即出荷・即販売」というサイクルが確立されていなかったため、以下のような事情が関係していました。

当時のGUCCIは、製品を大量生産するのではなく、工房単位で製造されており、完成後すぐに店舗に出荷されるとは限りませんでした。
製品によっては、倉庫に一定期間保管されたり、地域ごとにロールアウトされたりするため、製造年よりも後の年に市場に出回ることがよくありました。

例：1980年に製造されたバッグが、1982〜83年にヨーロッパや日本市場で販売されたケースなど。

GUCCIは本店（イタリア・フランスなど）と、他国の正規取扱店（日本、アメリカなど）で販売タイミングに差がありました。

本国では1978年頃に登場していたモデルが、日本市場では数年後に初登場するということも。

特にパリ限定ラインや免税店モデルは、通常ラインよりも時期や流通経路が特殊でした。

金具やロゴスタンプ、内装素材などの在庫が使い回されていた例も確認されています。

そのため、外観は「70年代風」でも、実際には「80年代製造」というような“ハイブリッド”的な個体も存在します。

ヴィンテージ品の鑑定においては、「製造された時期」を基準として年代を判断します。
販売開始時期と数年のずれがあることも前提としつつ、金具・ロゴ・素材・タグの仕様などから製造年代の範囲を丁寧に推定するのが鑑定の基本です。

　年代の“ずれ”が物語る奥行き――装いに、時間という品格を。

一期一会のヴィンテージ。次の持ち主は、あなたです！

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